部活動の顧問は学校の先生がやるべき派の一意見

部活動指導員は二度手間になってない?

部活動指導員(部活だけ教える人)を導入した自治体の教員の話を直接聞いたわけではないので不正確な情報ですが、文部科学省が出している部活動指導員に関する省令によると次のように書かれています。

第2 留意事項
 1 部活動指導員の職務
(2)
・生徒指導に係る対応
 部活動指導員は、部活動中、日常的な生徒指導に係る対応を行うこと。いじめや暴力行為等の事案が発生した場合等には、速やかに教諭等に連絡し、教諭等とともに学校として組織的に対応を行うこと
・事故が発生した場合の現場対応
 部活動指導員は、事故が発生した場合には、応急手当、救急車の要請、医療機関への搬送、保護者への連絡等を行い、必ず教諭等へ報告すること。特に、重大な事故が発生した場合には、学校全体で対応する必要があるため、直ちに教諭等に連絡すること。

(4)部活動指導員は、当該部活動の顧問である教諭や上記(3)の部活動を担当する教諭等と、日常的に指導内容や生徒の様子、事故が発生した場合の対応等について情報共有を行うなど、連携を十分に図ること。

引用:https://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2017/10/30/1397204_006.pdf

このように、部活動指導員は教員と連携をすることが明記されています。

資料を読んで率直に思ったことなのですが「部活動の時間は消えたけど、部活動指導員との情報共有という別の仕事生まれてない?」ということです。

また「部活動指導員と情報共有が行われるのって、おそらく教員の勤務時間外だよな……?」という疑問もありますよね。求人等を見ると、部活動指導員は時給でお金が払われるタイプのお仕事なので、先生が時間的余裕のあるときに学校に報告しにくるようなことはなさそう。

教員は一般企業ではあり得ない勤務体系に慣れてるから、勤務時間外(部活動が終わる7時とか)に部活動指導員が報告しに来ても「部活動指導員がいるから(勤務時間後に)明日の授業準備ができて快適」とか思ってそうでなんだか悲しいです。

 

生徒指導を行う先生が顧問になるからこそ意味がある

前述の通り、学校の先生が部活動の顧問を行うことは、生徒との関係性を作り、指導(学習指導や生徒指導)を通しやすくするのに役立つと私は考えています。

もっと分かりやすく言いますと、生徒と親密になればそれだけ授業も聞いてくれるだろうということです。

だから生徒の指導に係る先生が顧問をやるからこそ意味があると私は考えています。

またここで、生徒視点で見たときに、部活動の顧問が学校の先生か部活動指導員なのかはあまり関係なく、どちらであっても頼れる大人が1人増えたくらいのものかと思います。

しかし、部活動指導員は『事案が発生した場合には速やかに教諭等に連絡し教諭とともに学校として組織的に対応を行う』ことになっているので、部活動指導員に何か相談をした場合、解決するのは結局学校の先生になるのではないでしょうか?

上で述べた通り、部活動指導員は時給で働く、いわばバイトです。明らかに業務時間外になる重大な相談事に関しては部活動指導員が解決するとは思えません。

こうなると、指導員のことを信用して相談したのに解決するのは別の人という、子どもからすれば理解し難い状況になりますよね。

中途半端に介入するくらいなら、学校の先生が受け持った方が良さそうに思えますね。

 

部活動指導員を使うことの利点

もちろん、部活動指導員を導入する利点はあると思います。

教員の負担が減る云々はさておき、他には

①社会に出てたことのある大人と触れ合う機会が生まれる

②より高いレベルの部活の指導を受けれる

まず①について、よく言われることですが、社会にでたことのない人間が先生になり、社会について教えるという矛盾を学校は抱えています。

そのため、社会人になったことがあり部活動指導ができる人材(社会人選手)が顧問になる場合、生徒に新しい風が吹くのは間違いないです。実際、学校においても保護者の方の仕事について調査するなどのキャリア教育がありますので、社会に出ている人間と接触できる機会が生まれるのは利点だと思います。

次に②についてですが、その部活内容を専門でやっていた人が部活動指導員になると思うので、レベルの高い指導が受けられるのが予想されます。これは単純に上手になりたいという生徒にとっては良いことですよね。

 

レベルの高い指導が必ずしも良いとは限らない

部活動の顧問問題に関する動画のコメント欄で、結構面白い意見を見かけましたのでここで書かせてもらいます。

そのコメントの内容をざっくりと書けば『あんまりガチで部活されてもライト層の俺はついていけない』って内容でした。

これは確かに納得できる意見だと思います。

昨今、運動会で順位を付けないなど、運動に関して『身体を動かすことそのものの楽しさ』を重要視する流れがあります(確かフィンランドの考え方を取り入れた流れだったはずです)。

『スポーツが苦手だけど、スポーツそのものは楽しいしやりたい』という価値観が許容される今、ある種上達するためではなく楽しむための部活という形もあるのかもしれません。

 

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