一次不定方程式の解き方ってコツないの?【数学Ⅰ】

〜ある日の授業〜

それでは今日は一次不定方程式の問題を解いていきましょう。

具体的には次のような問題ですね。

次の一次不定方程式の整数解を求めよ。

17x+5y=1

こんなの簡単だぜ!

x=-2, y=7だろ?

何故なら代入したら式が成り立つからな!

確かに、たろうさんくらい頭がよければ解き方など知らなくても直感で答えがわかってしまうかもしれませんね。

しかし、「x=-2, y=7」だけではこの問題では不十分ですよ

例えば「x=3, y=−10」なども答えになってしまいますから、文字を使って全ての答えの形を示さなければなりません。

ぐぬぬ……だったらさっさと教えやがれッ……!

その正しい解き方ってやつをよおおおおッ!

テメェにはその『義務』があるッ!

世界観がジョジョになりかけていますがそれはさておき、本日は一次不定方程式の解き方について説明していきましょう。

 

一次不定方程式の解き方

文字の係数でユークリッドの互助法

まず初めに左辺にある文字の係数でユークリッドの互助法を行いましょう。

今回の問題であれば、17と5を使います。

1つ注意が必要なのですが、筆算形式でユークリッドの互助法を普段行っている人も、今回は式を書き出していく方法を使いましょう。

この問題ではユークリッドの互助法で出てきた途中の式を使います。

ユークリッドの互助法を使うと、次のような式が出るかと思います。

\begin{eqnarray} 17&=&5\cdot 3+2\\ 5&=&2\cdot 2+1 \end{eqnarray}

 

互助法の式を使って1つ目の答えを出す

そして、これらの式の赤い部分に注目してください。

\begin{eqnarray*} 17&=&5\cdot 3+ \color{red}{2}\\ 5&=& \color{red}{2}\cdot 2+1 \end{eqnarray*}

第一式を「=2」の形になるように変形し、それを第二式に代入します。

\begin{eqnarray*} 17-5\cdot 3 &=& \color{red}{2}\\ 5-\color{red}{2}\cdot 2 &=& 1\\ &↓&\\ 5-\color{red}{(17-5\cdot 3)}\cdot 2 &=& 1\\ &↓&\\ 17\cdot\color{red}{(-2)}+5\cdot\color{red}{7}&=&1 \end{eqnarray*}

代入し計算すると「x=-2, y=7」という1つ目の解が出てきます。

(もし問題文の右辺が17x+5y=2のように1以外なら、別の手順がありますがそれは後で書きます)

 

問題の式と1つ目の答えを出したときの式を引き算する

問題の式とは、今回であれば「17x+5y=1」を指します。

これと、1つ目の答えを出したときの式を引き算しましょう。

\begin{eqnarray*} 17\cdot x+5\cdot y&=&1\\ -)\ \ 17\cdot(-2)+5\cdot 7&=&1\\ \hline 17\cdot \color{red}{(x+2)}+5\cdot \color{red}{(y-7)}&=&\color{red}{0}\\ \end{eqnarray*}

すると、上のような式が現れます。

このとき、1番下の式の右辺が0になっているかと思います。

左辺の計算結果が0になるためにはどのような形になればいいか考える

もし仮に、左辺の赤い部分が次のようになっていれば、式が成り立ちますよね。

\begin{eqnarray*} 17\cdot \color{red}{5}+5\cdot \color{red}{(-17)}&=&0\\ \end{eqnarray*}

もっといえば、ある整数nを使えば、次のように書いても良さそうです。

\begin{eqnarray*} 17\cdot 5\color{red}{n}+5\cdot (-17\color{red}{n})&=&0\\ \end{eqnarray*}

つまり、17と5にかけられている数字が「5n」「-17n」の形になっていれば、上の式は成り立つことになります。

引き算して出てきた式と比べて答えを求める

ここで、先ほど引き算して求めた式と計算結果が0になるための形を見比べてみましょう。

\begin{eqnarray*} 17\cdot \color{red}{5n}+5\cdot \color{red}{(-17n)}&=&0←理想の形\\ 17\cdot \color{red}{(x+2)}+5\cdot \color{red}{(y-7)}&=&0\\ \end{eqnarray*}

よって、次の式が成り立つときのxが求める答えとなります。

\begin{cases} x+2=5n&\\ y-7=-17n& \end{cases}

式を綺麗にすると、nを整数として

\begin{cases} x=5n-2&\\ y=-17n+7& \end{cases}

これが、この問題の答えになります。

 

補足:右辺が1以外の場合

右辺が1以外の場合は少し工夫が必要です。

例えば「17x+5y=2」の場合、

\begin{eqnarray*} 17\cdot (-2\color{red}{\times 2})+5\cdot (7\color{red}{\times 2} )&=&1\times \color{red}{2} \end{eqnarray*}

のように、全体に2をかけて辻褄を合わせなければなりません。

つまり、1つ目の解が「x=-4, y=14」となり、そこからの解き方は変わらずと言うことになります。

 

おわりに

どうでしたか?

少しテクニックが必要ですが、この手の問題は計算が比較的簡単目に作られることが多いので、たくさん練習してできるようにしましょう。

おいおい、それだと計算が面倒な問題は練習したくないって言っているようなものじゃあないか

ちなみに俺は計算したくない。

先生も人間ですからね。面倒なものは面倒なんです。

数Ⅲの微分積分くん聞いていますか?

それでは今日のまとめに入りましょう。

《本日のまとめ》

一次不定方程式の解き方

①左辺の係数でユークリッドの互助法

②互助法の式を変形・代入し問題の形にして1つ目の答えを出す

③問題の式と②の式を引き算

④左辺の計算結果が0になるように整数nを使って文字部分を表す

⑤③と④の式を使ってxとyを整数nを使った式で表す

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