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部分積分のコツって何かないの?【数学Ⅲ】

〜ある日の授業〜

『数学Ⅲ 使わない大学』検索っと

どうしたんですかたろうさん。随分不穏な検索ワードですね。

先生、俺高校生の真理にたどり着いちまったかもしれねぇ。

数学Ⅲはまともな人間が学ぶ教科じゃねえ!どう考えても公式のレベルが狂ってんだよ

SAN値チェック待たずに俺は発狂するね!ぴええええええええええん!!!!!

いつにも増してたろうさんの情緒が不安定ですがそれは置いておいて、数Ⅲで公式というと部分積分の公式が最難関のように思いますね。

たろうさんもそこが辛いのでしょうか?

ああ、よく分かってるじゃあないか。

そのニコニコ笑った面しながらも、見るところは見てるんだな。少しは見直したぜ。

ただ、部分積分は公式の暗記自体はいいんだ。

でも覚えたところで使えねえんだなこれが

f(x)とf’(x)とg(x)とg’(x)が混在して何をしたらいいのか……

嗚呼、発狂しそう。ぴえn

上から目線がすぎる気がしますがそれはさておき、部分積分の公式は確かに公式を覚えた後の使う段階でつまづく印象はありますね。

1年生で学習した二項定理は公式を覚えるのは大変ですが、実際の数で使うのはそれに比べて簡単でしたね。

部分積分はまさに二項定理の逆の現象が起きているのでしょう。

今日は部分積分のオススメのやり方を一つ紹介しましょう。

 

部分積分の公式とは(復習)

部分積分の公式は一般的に次のようなものとなっています。

\begin{eqnarray} \int f’(x)g(x) dx=f(x)g(x)-\int f(x)g’(x) dx \end{eqnarray}

この授業では、上の部分積分の公式が正しいことの証明等はしません。

証明が見たい人は他の記事を探しましょう。

 

オススメの部分積分の方法

ここからが本題です。

オススメの部分積分の方法を紹介します。

例題として、公式として暗記している人も多そうなlogの積分を扱います。

\begin{eqnarray} \int \log{x} \ dx =x\log{x}-x+C \end{eqnarray}

オススメの方法では2つのステップで部分積分の式を完成させます。

 

ステップ1:積分記号を右にズラす

まずは積分記号を右にズラします。

例えばlogの積分であれば

\begin{eqnarray} \int \log{x} \ dx \Rightarrow \log{x} \color{red}\int \ dx \end{eqnarray}

このように積分記号を右にズラします。

どのようにズラすのが最適かについては問題ごとに異なりますが、とりあえず積分記号をずらした状態のものを用意しましょう。

そしてズラした後の式が、1つ目の項になります

 

ステップ2:マイナスと積分記号つけて前微分

少し説明が多いですが、1番重要なのは前微分です。

『マイナスと積分記号』というのは、元の公式でいうところの

\begin{eqnarray} \int f’(x)g(x) dx=f(x)g(x)\color{red}{-\int} f(x)g’(x) dx \end{eqnarray}

赤く塗った部分を指します。

ステップ2では、積分記号の後ろの式を出すステップなのです。

早速本題ですが、前微分とはステップ1で出した式の前を微分するという意味です

\begin{eqnarray} \log{x} \int \ dx \Rightarrow \color{red}{(\log{x})’}\int \ dx \end{eqnarray}

つまり、積分記号の前にいたlog(x)を微分するのです。

そして、この前を微分した後の式が積分記号の後ろの式になります。

つまり、2項目の式は、マイナスの記号も一緒に書いてしまうと

\begin{eqnarray} -\int(\log{x})’\left(\int \ dx\right)\ dx \end{eqnarray}

ということになりますね。

dxが2つ来ているのはあまり良くない途中式には書かないようにしましょう。

 

実際に計算してみると……

上の方法を使い、ステップ1では1項目を、ステップ2では2項目を出しました。

それでは実際に正しい答えが出せるのか、計算してみましょう。

\begin{eqnarray} \int \log{x} \ dx &=&\log{x}\int\ dx-\int (\log{x})’\left( \int \ dx \right) \ dx\\ &= &\log{x}\cdot \color{red}{x}-\int\color{red}{\dfrac{1}{x}\cdot x}\ dx\\ &=&x\log{x}-\int \ dx\\ &=&x\log{x}-x+C \end{eqnarray}

しっかりと正しい答えが出せましたね。

この方法をする際の注意点ですが、ステップ2でも話した通り、一つ目の途中式(dxが二つ入っているところ)を答えの部分で書かないことです。

学校で行っている方法と違うので不審がられてしまいますし、変に隙を見せない方が、数学の解答を作る上で良いでしょう。

どうしても一つ目の途中式を書きたいという人は、事前に先生に確認を取りましょう。

 

おわりに

この方法なら、公式の形だけなんとなく覚えとけば解けちゃうじゃん!

これで少しはやる気が出たかもしれない!

『数Ⅲ 使う大学 2次募集』検索っと

やる気を出しつつ一次募集を切る気でいるのが気が気でないですが、受験に向かう気持ちが少しでも向上したならばこちらも嬉しいです。

今日のキーワードは

ズラしてマイナス前微分

ですので、フレーズにして覚えておくのもオススメですよ。

そのダサいフレーズで今日の授業の信用が失われたことを、先生はまだ知らなかった。

ぴえん

 

おまけ(上の方法が正しいことの説明)

部分積分の公式が正しいことの証明はしませんが、今回使用した邪道な方法で正しい答えが導けてしまう理由を説明しましょう。

今回の方法を使うと、二つの関数の積を積分しようとすると、次のように変形ができると思います。

\begin{eqnarray} \int g(x)F(x)\ dx&=&g(x)\int F(x)\ dx-\int g’(x)\left(\int F(x)\ dx \right)\ dx\\ \end{eqnarray}

ここで、

\begin{eqnarray} \int F(x)\ dx=f(x) \end{eqnarray}

とするならば、

\begin{eqnarray} F(x)=f’(x) \end{eqnarray}

となりますね。

この式を使ってFをfに置き換えしてみましょう。

すると

\begin{eqnarray} \int g(x) \color{red}{f’(x)} dx=g(x) \color{red}{ f(x)}-\int g’(x) \color{red} {f(x)} dx \end{eqnarray}

一応、式を整理してみると、

\begin{eqnarray} \int f’(x)g(x) dx=f(x)g(x)-\int f(x)g’(x) dx \end{eqnarray}

となり、部分積分の公式になることが分かりますね。