〜ある日の授業〜
今日は一次関数の式の求め方について学習しましょう。
たろうさんはこんな問題は解けますか?
《問題》
グラフが2点(2,-3),(4,5)を通る一次関数の式を求めよ。
こんなの簡単だよ。
y=ax+bの式に(2,-3),(4,5)を代入して連立方程式を解けばいいんでしょ。
だから答えはy=4x-11
先生この前の授業で自分で言ってたのにボケてんの?
……今日の授業はここまでです。起立、礼、着席。
ありがとうございました!うっし、遊びに行くか!
……なんだその笑みは?
……たろうくん甘いですね。
実は連立方程式より簡単で速い解き方があるんです。
今日はそれについて説明しましょう。
aとbを別々に計算する方法
連立方程式での方法では、a,bを同時に計算することになります。
これから紹介するのは、a,bを別々の計算で求める方法です。
aを求める
まず次のような式を作りましょう。
そして、この式に座標を代入します。
①が(2,-3)の座標を入れる場所で、②(4,5)の入れる場所です。
下にはx座標、上にはy座標を代入します。
そうすると、a=4という式が出ますね。
この方法は一次関数では傾き=変化の割合であることを利用しています。
変化の割合の求め方は、(yの増加量)÷(xの増加量)でしたから、これで分母にはx座標を代入する意味がわかるかと思います。
bを求める
aを求めた後は、bを求めましょう。
普通に代入してもいいですが、少し速い方法があります。
まずはaだけ代入した式を作ります。
そして、ここからがポイントです。
「=」を「−」に変えて、座標一つを代入したものを式の上に書きます。
説明がしにくいので式を見せましょう。(4,5)を代入しました。
上の式を計算した結果は「-11」となっていて、bが計算できていますね。
上の式を消してしまえば、そのまま答えの式が出せるので、答えだけを求められている場合は、この方法の方が速く問題を解くことができるでしょう。
この方法は何か特殊なことをしているように見えますが、実は普通に代入してbを求める方法と同じことをしています。
「y = 4x+b」を変形すると「y − 4x = b」になりますよね。
注意:途中式を求められる問題では上の式を残しておきましょう。
まとめ
めっちゃ速いじゃん!
それに、これを使えば、傾きだけ分かってる問題とかも速く解けそう!
どうして最初の授業で教えてくれなかったの!
最初の授業ではきちんと基礎を学ばないといけません。
基礎を学んだから、今回の方法が理解できたのですよ。
それでは本日のまとめです。
本日のまとめ
①変化の割合を利用して傾きを出そう。
②bは「=」を「−」にして計算すると無駄なく速い。